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茶筌の形をした椿といえば、茶花としても有名な「侘び助」 だろうか。ぼってりとした八重の椿では無さそうだし、この方が 古い庭にはふさわしい。春の句なのに枯淡の趣が感じられて うれしい。 |
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垣根の向こうの女性はどんな人だろう。せみせん草は この頃にはぺんぺん草と云ってたのだろうか。何か対比 が不思議な句である、と思って調べると中国の故事が 絡んでいた。垣根のむこうの娘に対し琴をひいて心中 を訴えたとか。さみせん草より、音からくるペンペン草の ほうが良かったかもしれぬ。 |
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「ひねもすのたりのたり」の海に対して、こちらは陸の春、 畑を打つ鍬の音がリズム正しく聞こえる。駘蕩たる空気 が満ちて、空には白雲が少しずつ春風に動く。 静かで大きい風景の中に一点の農夫の姿、雲は描かれ て無かったかもしれない。 |
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なんとも気だるく、やるせない夕暮れだろう。おそらく誰も が経験した春の夕暮れ。思いは、これも過ぎて行った春 の記憶、春の夕暮れの記憶とは何故この様にはっきりと 思い出されるのか。春宵一刻のつらい時間。。 |
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苗代の溌剌とした生命の色、小さな蛙の生命のきびきび とした動き。蛙だけが遊んでいるのでもなく、苗も、まだ少し 冷たい水も、そこに映る雲も、苗代田に流れる風もみんなが 嬉々として遊んでいる。 苗代田を色紙に見立てたところは、やはり画家の眼だった。 |
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帰る雁も、渡る雁も、雁の行く姿は何故か淋しい。 春の月のおぼろな明るさの中を、羽音も鳴き声もなく静か に北を目指す。本能に従う動物の姿であっても別れは つらい。「一去一来」この言葉が全くふさわしい季節だ。 |
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