
| 万緑あふれ、風ひかる季節は、はげしい夏のはじまり。 そこには日本人に馴染みの花もあれば、振り向かれない地味なものもある、しかしいずれも清新の気に溢れて美しい。 牡丹・石榴・芥子などの遠い祖先は遥かな異国の花、しかし日本の花としてすっかり馴染んでいる。 |
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牡丹青嵐吸物は白牡丹良寛 方千里雨雲よせぬ牡丹かな
蕪村 牡丹散てうちかさなりぬ二三片
蕪村 |
芥子尼寺や芥子ほろほろと普門品漱石 真昼中ほろりほろりと芥子の花
良寛 けしの花籬すべくもあらぬかな
蕪村 生きて居るばかりぞ我とけしの花
一茶 |
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杜若杜若われに発句の思いあり蕪村 よりそいて靜なるかなかきつばた
虚子
沼水にしげる真菰のわかれぬを咲き隔てたるかきつばたかな 西行 |
昼顔昼顔やどちらの露のなさけやら良寛
ひるがおやこの道唐の三千里
蕪村
昼顔の咲くや砂地の麦畑
子規
めづらしく妻をいとしく子をいとしくおもはるる日の昼顔の花 牧水 |
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石榴安宿のざくろたくさん花つけた山頭火
花石榴また黒揚羽放ち居し
汀女 散たまる石榴の花のくれないをわけてあそべり子蟹がふたつ 牧水 |
夏草うれしいこともかなしいことも草しげる山頭火
旅の法衣がかわくまで雑草の風
山頭火 うらみちは夏草が通れなくしたまんま
山頭火 倒るれば倒るるままの庭の草
良寛
夏草は心のままにしげりけりわれ庵せむこれの庵に 良寛
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