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白梅 白梅の青きまで咲きみちにけり 小坂順子
白梅の咲きつくしたる暗さかな
岩井久美恵
寒梅のあたりにて日の終わりかな
岸田稚魚
夕空の絶え入るばかり梅咲けり
金田咲子
白梅や父に未完の日暮れあり
櫂 未知子
白に酔いくれないに醒め梅の中
手塚美佐
萼紅き白梅にふれ柩発つ
竹原典子
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| 雪 見えているほかは真っ暗牡丹雪 永田耕一郎
牡丹雪どこへも行けぬ母に降る
日下部宵三
山の端にちがふ闇ある牡丹雪
平木智恵子
父なくて母なくて雪山河かな
小島花枝
ふと覚めし雪夜一生見えにけり
村越化石
恍惚の直後の手足雪降れり
高沢晶子
女三界に家なき雪のつもりけり
鈴木真砂女
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雪 眼前を刻すぎゆけり牡丹雪 岡本 眸
遺されて母が雪踏む雪あかり
飯田龍太
人死にし山月明の雪けむり
高須 茂
大雪に埋もる家より柩出す
関 久江
雪こんこん子を取ろ子取ろ子が欲しや
後藤綾子
狂えるは世かはた我か雪無限
目迫秩父
生死の中の雪ふりしきる
種田山頭火
家々は闇のかたまり牡丹雪
坪内稔典
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| 冬木 こまごまと星をやどせる冬木かな 下村槐太
昏れて無し冬木の影も吾が影も
三橋鷹女
一直路しんかんとあり冬木立
鷲谷七菜子
汽車道の一すぢ長し冬木立
正岡子規
冬木の枝しだいに細し終に無し
正木浩一
冬欅星の重みの加はりぬ
中西友紀
父見るは遠き冬木を見るごとし
渡辺千枝子
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闇 ある日ふと己れが視えてよりの冬 野沢節子
狐火や蕪村の恋もとはの闇
矢島渚男
雪女郎まなこの底の蒼かりし
西村和子
星よりも人の淋しき冬夜かな
徳永夏川女
雪の夜かの世の音に耳澄ます
高林文夫
汝と我そのどちらかは春のゆめ
津沢マサ子
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| 枯野 枯野ゆく女の髪も枯るるもの 檜 紀代
一望に枯草の曳く光かな
吉武月二郎
冬の日のいちばん底にいるつもり
糸屋和恵
旅人を飛白にしたる吹雪かな
杉本雷造
木枯は死の順番を告げて去る
福田甲子雄
なきがらに逢ひにゆくなる冬木かな
岸本尚毅
遠くにも枯野が一つ大枯野
倉田紘文
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落椿 遅れ咲きいまの落花に加わらず 山口誓子
はなびらの肉やはらかに落椿
飯田蛇笏
落椿とはとつぜんにはなやげる
稲畑汀子
赤い椿白い椿と落ちにけり
河東碧梧桐
落椿もうたましいが抜けている
佐伯昭市
魂の入りたるままに落椿
森田智子
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| 椿 雪椿ほむらの如き夜明けかな 井上 雪
全山に一つの椿探しをり
渡部伸一郎
阿修羅ともなろか椿に戻ろうか
塚越美子
齢にも艶といふもの寒椿
後藤比奈夫
雪の木に抱かれていま夢うつつ
成沢たけし
仮りの世のなぞなぞを解く寒椿
吉田汀史
春雷のあとなまぐさき椿かな
塚本邦雄
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水仙 人の訃に水仙の香の走りけり 小野 伶
黄水仙冷たき言葉繰り出しぬ
小林貴子
水仙の花のうしろの蕾かな
星野立子
水仙のしづかないろに湖の国
今井杏太郎
日についでめぐれる月や水仙花
高浜虚子
水仙に蒼き未明の来ていたり
島谷征良
空に空の色よみがえり黄水仙
寺井 治
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