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![]() 山頭火の句には笠がよく出てくる。時にはとんぼを とまらせ、しぐれをいち早く感じ、漏る雨に嘆き、行乞 の道具以上に皮膚の一部にさえなっていただろう。 しかし、一歩退いて見ていると滑稽な場面だ。椿が 落ちる偶然、偶然下を通る山頭火、偶然の重なり。 笠へ落ちた花は転がって地上に落ちる。面白い。 |
![]() いつも前へ歩く山頭火もよく振り返る。 そこには山が、まっすぐな道が、しぐれるみちが 振り返る動作は確認の動作、と寂しさのあらわれ 黒ずんだ葉群れに点々と赤い花、 地味だが強い生命力を感じる風景 山頭火の足を進める原動力になったか。 |
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![]() めずらしく呑気な句だ この句には、裏も表も斟酌は出来ない ただ素直にそよ風のなかで佇んでおればよい この様な句があるからこそ、 また本来の 山頭火の句が生まれる。 山頭火の視線は空の遠くにある。 |
![]() 行乞の旅のさ中にあっても心は落ち着かない 所在定まらない心を抱いて旅はつづく 行雲流水とは旅そのもの、人生そのもの。 落ち着かないで急ぐのは「死」への行進だった。 |
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![]() はかない命の蝶が飛ぶ。 しかし、「いらか」が法堂の屋根だとなると 仏法に寄り添うはかない命となる こんな重いことを象徴しているのだろうか ただ単に、のどかな寺園の一刻と見るか 平仮名ばかりなのが、私は好きだ。 |
![]() 酒好きの人らしく酒の句は多い しかし白楽天をはじめ多くの人たちの酒ではない 自堕落な自分に対する強い悔恨。 酒という魔物。 酔いざめは魔物から開放されたわけではない 本当は花が散るように「酒の業」が、 わが身から離れてほしい。 山頭火のこの花は決して美しいものではない。 |
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