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![]() 早朝にはや旅支度を整えた。乞食の行に出る のだろう。つらい行にも朝の出立の時は、この ように希望的な感覚が身を包んでいた。 ほんとうに良い一日であったら良いのにと思う |
![]() 水渡る、といった句は他にもある。山頭火にとって 此岸から彼の岸に渡る事は、乞食行のなかで一つ の象徴的なことだったかも知れない。 なのに自分の周りを雲の影が纏い付く。行の進みを 遮るように、あきらかに天は味方ではない。 |
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![]() 肌に心地よい風が通りぬける。上り坂をゆく山頭火 次の山を見据え、またその先の山をながめ、 深く深く山に入る。深い山は行の場 この句からは、ほととぎすの声を意識しているから 行の中にいるといった悲壮感はなく、爽快感だけが 伝わる。 |
![]() 法衣といっても乞食坊主のボロボロのもの、それも 出家僧ではない俗僧だからどんな形状をしたもの だったか。しかし汗にまみれ垢じみたものは洗わねば ならない。人気のない山際の流れ、素っ裸になって、 一時、自然児の気持ちになった。 乞食行のささやかで、ほほえましい風景。 |
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![]() 峠みちで聞くほととぎすとは違って、こちらは闇のなか 冴えた聴覚に、遠く聞こえる番いの鳥の声 「生きている」自然、「死」を容認しながら死ねない自分 闇に聞こえる鳥の声が乞食行の身に突き刺さる。 |
![]() 山頭火の希望、のぞみ、期待。 山頭火だけではない、こんな死に方が出来たら どんなに良いか。 風を意識した時に、こんな感覚になるか? こんな「期待」を風に托せるか? かなり突飛な句だが、これが山頭火の真骨頂。 |
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