タゴールの詩によせて

「迷える鳥」と「蛍」から --短詩30章の中より--



この朝私は窓辺に坐っている。
すると世界は一瞬その前に立ち止まって私にうなずいて、そして立ち去って行く通りすがりの人に似ている。

「迷える鳥」と「蛍」から
「迷える鳥」と「蛍」から
嘗てわれらは赤の他人であると思っていた。
一朝めざめて、われらはわれらがお互いにとって貴いのを見いだす。
瞬間をおそれるな−−かく永遠なるものの声は
歌う。
汝もし太陽を見失うとて涙するならば、汝はまた星をも見失うであろう。
「迷える鳥」と「蛍」から
「迷える鳥」と「蛍」から
あなたはほほえんでさりげないことについて語った。
そうして私はこのためにこそ長いあいだ待っていたのであることを感じた。
彼は彼の武器を彼の神とした。
彼の武器が勝利した時、彼はみずからを破ったのである。
「迷える鳥」と「蛍」から
「迷える鳥」と「蛍」から
神は大帝国に倦むがささやかな花には倦まない。
木の葉の誕生と死とは渦のすみやかな回転であり、
その一層大きい輪はしずかに星辰の間をめぐっている。
「迷える鳥」と「蛍」から
「迷える鳥」と「蛍」から
しずかに、これらの巨きな樹たちは祈祷者です。
水に住む魚は黙し、地上の獣はかしましく、空の小鳥は歌う。
しかし、人間は彼の中に海の沈黙と、地のざわめきと空の音楽をもっている。
「迷える鳥」と「蛍」から



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