| 限りなき美の 光に浴した清らかな朝、 無限なもの、形なきものが さまざまな形の試金石で 歓ばしい形をつくりだす、 ひごと 恒に変わらぬ古い祭壇で 恒にかわらぬ新しい浄めの儀式がおこなわれる。 緑の大地と碧い空をつなぎ合わせ 地球の衣が 光と影をないまぜてあまれてゆく。 天空の心臓の鼓動が木の葉木の葉に鼓動する。 (後略)
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大空の端に触れて 漁舟が帆をはって漕ぎ出すと、 白いはぐれ雲が そらの一隅に浮かんでいる。 光にしぶきをあげる水甕を 腰にかかえた村の乙女らが ヴェール越にひそひそ話しをしながら行くと マンゴーの森蔭の虫の音すだく曲がりくねった小径で どこからか郭公が ときどき寂しい小枝で鳴いている、 田舎暮らしのおずおず羞じらう物陰で 神秘のヴェールが わたしの心に震えている。 池のあちこちの岸で芥子畠がいっせいに芽吹き にっこうの贈り物への大地の返礼に 太陽神の寺院に はなばなの献げものが供えられている。 (前略−後略)
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| 森閑とした朝のひととき 孤独な部屋の開け放たれた窓辺に坐る。 外では 緑の調べにのせて 大地の生命が歌となってたちのぼる〜 不滅の泉の流れにのって はるか彼方の碧い光へと心はただよう。 誰にむけて わたしは この讃歌を送るるのだろうか〜 この心の切なるあこがれを。 あこがれは いっさいの価値を超えたものに ふたたび価値を与えようと 美の音信を捜し求めるが、 黙して語らない。 それは ただひとこと言う{私は幸福だ、」とやがて韻律が止むと しみじみとつぶやく「わたしは祝福されている、」と。 |
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遥か彼方の天空の 淡いやわらかな碧さよ。 森が空の下で高く腕をのばして 自らの緑の献げ物を 黙ってささげている。 マグ月の若々しい太陽が地上の いたるところに 透明な光のスカーフをひろげる。 このことを わたしは書き記したが 心ない画家が とっくにそれを消し去っていた。 |
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| 世界の片隅の窓辺に坐り 地平の碧さに無限なるものの言葉を見る。 影にいだかれて 光がとどく シリシュの樹から 緑のやさしい友情が運ばれてくる。 心に声がする〜 遠くはない、それほど遠くはない、と。 道の行く手が陽の沈む山の頂にきえてゆく、 黄昏の宿の戸口で 私は黙って経っている、 遠くの方でときどき光がきらめく〜 最後の巡礼の尖塔で。 入口では 一日の終わりのラギニがなっている、 その響きが 生命の全ての美に混ざる。 人生の長い旅路で触れたものは すべて 完成への招きであった。 心に声がするー遠くはない、それほどとおくはない、と。 |
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たちまちにして過ぎ去った この徒歩旅行の風景が 意識の遠い境で、 今日 心にうかぶ。 なにもかも忘れ去られていた風景が 人生の最後の別れのときに 遠くの鐘のねとともに 心によみがえる。 |
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| 名声と汚名をくぐりぬけて
人生の黄昏にたどりつき、 いまわたしは わかれの河岸に坐っている。 私は自分の肉体を信じて疑うことはなかった、 いま年古り 肉体は自らを嘲笑い、 そのために全てが狂いをきたしているのはわかっているが、 私の支配力は衰えている。 そうした屈辱から わたしをを守ってくれる物たちが 片時も見放すことなく いま日暮の最後の準備に忙しいわたしの傍らに立っている。 名こそ告げぬが、彼らはわたしの心に住んでいる。 (後略)
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この自我の殻を やすやすと脱がせてください〜 意識の耀く光に濃霧をつきやぶって 真理の永遠のすがたを顕示させてください。 人みなのただなかにあって 永遠なる一者の歓喜の光明をわたしの心にともしてください。 この世の騒乱を越えた静かな天国で 永遠の平和のかたちを見させて下さい。 |
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