
紀州・那智の東光坊の修行者の祐慶と同行者たちが諸国
行脚の旅にでた。陸奥の安達が原にさしかかったころ秋の
日は暮れかかり辺りに人家は見当たらず野をわたる風のみ。
やうやく一軒のみすぼらしい小屋に火のあかりを見つけ
そこに宿を乞うと小屋の主らしき女は一度は断ったが,他に
術もなく「願わくはわれらを哀れみて一夜の宿を貸したまえ」 「私でさえ嫌だとおもうこの庵に」 と言いながらも、戸をあけて中へ迎えいれる。 |
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僧達は踏みとどまり、一心こめて祈り出す。東方の降三世明王?? 南方のぐんだり夜叉明王 西方の大威徳明王?? 北方の金剛夜叉明王中央の大日 大聖不動明王と唱えつずいてその真言を声限りに、全霊を こめ、一心不乱に祈り続けた すると今までは怒り狂う鬼女がたちまち弱りはじめ、身を 屈め、眼はくらみ、足元はよろよろと、 「安達が原に隠れ 住んでいたがこの様にあさましい姿を見せてしまった。恥ず かしいわが姿かな」 と嘆く声もなお物凄く凄まじい夜の嵐の音と共に立ち去っていった。 |
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