都では既に帝となった皇子が、今日は紅葉の御幸とて隊列を整え大路を進んでいた。
一方、照日はやっと都に着いた。
隊列の先頭で行幸の露払いをしていた官人たちは、一人の変な女を見つけた。都の女ではない田舎の女、しかも物狂いらしい。
官人たちは集まってきてその女を立ち退かせようとした。
「そこを退くんだ」
持っていた扇で文の入った花篭を叩き落とした。
「何をなさる、君の花筐を打ち落とされるとは。」
「なんと狂女、君とはだれのことか、」
「私が狂人だからといって、知らぬと思はれるのか、応神天皇五代の孫武烈天皇の御子、今は継体天皇。めでたき君の御花筐を打ち落とすとは。そなた達こそ私より狂人でしょう。」 |