二人の修験者がはるばる熊野から、ここ上野の佐野に(現、群馬県高崎市)やってきた。
若い男女がやってきて、「私達は橋建立の勧進をしています。どうぞ御寄付をお願い申し上げます。」
山伏「見るところ俗体のあなた達が橋建立の志、やさしいお心です。さてもこの橋はいつごろから渡された橋でしょうか」
「万葉集に(東路の佐野の舟橋とりはなしー)とありますがご存知ありませんか。」
「ああ、親に仲を裂かれた物語ですか、その古い舟橋の主を助けんがための勧進でしたか」
佐野に流れる鏑川が流れている。川の向こうに朝日の長者、こちらに夕日の長者が住んでいた。 |